2009年5月15日

修行

「練習したいの」
といってピアノを弾きたがる息子。
それも弾き語り。
もちろん音はでたらめですが、大好きな歌を歌いながら鍵盤を叩いている姿は可愛いです。
わたしも最近ピアノの練習を再開いたしまして(自習ですが)、やっと指がほぐれてきたところです。
子供が生まれて2年と半、それ以前も仕事で帰宅が遅かったので、まともに弾けるようになったのは5年ぶりくらいでしょうか。
しばらくぶりなので夢中になって練習してしまいます。気がつくと随分な時間、弾きこんでいます。おかげでちょっと腱鞘炎気味。
(ああ、この熱心さが子供のころにあったなら!)
そんなわたしを見ているからか、息子もピアノの練習ごっこが大好きで、
「ぼくが練習するから! ままは弾いちゃだめ! 順番!」
などとも言うになりました。
ちょっとうれしい親心。

親が好きなものに子供が興味を持つのは普通のことです。
で、思うのは母のこと。
母は音楽はあまり好きではない(嫌いではないらしいのですが、特に興味もない)のです。
でもそんな母が不思議なことにわたしには、3歳ごろからピアノを習わせているんですね。
わたしはピアノから音楽に親しみ、オーケストラに入り、そこで旦那と出会い今日に至るので、……なんというか、もし、母が、わたしにピアノを習わせようとしなかったなら、などと考えるとなかなかに感慨深いです。
楽器もそのときに母が買ってくれたものですしね……。
一時の気まぐれでも、習わせてくれてよかったなあと思います。

同時に息子は親が苦手なことにも興味を示し始めました。
「昆虫」です。
わたしは虫全般が苦手です。
写真を見るのもかなりの勇気を必要とします。もちろん写真にも絵にも触れません。
実物からは静かにそっと遠ざかる。
ところが最近になって、子供向けの昆虫図鑑を、一緒に見てと言うのです。息子が、わたしに!
「ごめんね、ママ、虫さん怖いから、パパと一緒に見てね」
と断ると、声を震わせて
「まま……虫さん、怖くないよ。怖くないから、大丈夫だから……うっ、うっ、うわぁぁぁぁぁん」
一緒に見るの、読んでほしいの、と泣き出してしまいます。
それでなんとか我慢して読み聞かせているのですが……軽く拷問です。
でもまあ、親の好みだけを押し付けちゃなんねぇと忍の一字で耐えております。
そのうち慣れて平気になれるのでしょうか……。

そんなふうにわたしが頑張っているのを知っていて、今日、旦那は本格的な昆虫図鑑を買ってまいりました。
……泣けるなぁ。

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