2009年3月 4日

わたしが忘れても

今日の歯科矯正はいつもの先生ではなく、研修の先生でした。たぶん。
熱心な先生で、一生懸命ワイヤーの交換をしてくれましたが。
「先生。ごめんなさい、チューブ入れ忘れました!」
その声が、あまりにも学生さんっぽくて、うっかり笑ってしまいそうになりました。
他にも
「これはやったことある?」といういつもの先生の質問に
「はいっ、あります。でも一人でやったことはありません!」
すぐ傍らの診察台に部外者のわたしがいることは、たぶん、彼女の頭の中にはなかったかと。

わたしは実は研修のお医者さんが嫌いではありません。
というか、むしろ好き。
その一生懸命さが。
それから(わたしが勝手に思っているだけですが)その人の初めての経験を共有できる感も大好き。
それと、先生が研修の先生にあれこれ説明しているのを聞くのも好き。
話の内容はもちろん、先生の口調がわたしに対するものとはまったく違うのが新鮮。
とにかく、よほどでない限り、研修医大歓迎のわたし。
(たぶん主治医が信頼できてこそのことなのでしょうが)

で、思うんです。
彼女がベテランの先生になったときに、
「そういえば昔、チューブ入れるの忘れたことがあったなあ」
「あのときの患者の歯は、そろそろきれいに並んだろうか」
などと、ときどき思い出してもらえたら嬉しいなあ、と。
わたしにとっては短くない治療期間にたった一度だけ受け持ってくれた先生なので、いずれきっと忘れてしまうのですが、わたしがころっと忘れてしまっても、ワイヤーにチューブを通すとき、研修医を迎えたときなどに、ふと「そういえば」と思い出してもらえる記憶になれていたらいいのになあ、と。
勝手な願望ですが、本当に覚えていてくれたら幸せです。