目次は次のとおりです。
その語が表す意味、様子を五、六行で解説。
次にその例文があり、最後に語源の考察があります。
語源を調べるための辞典というよりは、読むための本と認識しています。
これも創作に直接用いることは少ないのですが、読んでいるうちにちょっとした小ネタを思いつくことがあります。
気分転換にはもってこいです。
読んで楽しい辞典です。
語源を辿る途中で、「音」に気がつくのです。日本語の、音。
一音だけの語は今でも存在するのですけれど(たとえば母音一音だけでも意、胃、井、絵、江、餌などなどがありますよね)、昔の言葉の中にはもっとたくさんの「一音だけのことば」があったようです。
たった一つの音に意味を持たせて、心を込めて、発する。
だからこそ三十一音もあれば、過不足なく自在に心が語れたのでしょうね。
そういうことを思いながら読むと、ますますひとつずつの音が心に響きます。
言葉は量を費やせばよいものではないことを、実感しました。
語の歴史が語られている読み物としてお勧めです。