目次は次のとおりです。
主な類義語の並列
それぞれの意味の解説「用例」
その他の類語を列挙
類義語をグループ化し、もっとも意味用法が広く一般的に使われる言葉が見出し語とされています。
解説ではそれぞれのことばの意味の重なりとズレ、ニュアンスの差の説明に重点が置かれています。
AはBを尊敬している、というのは、Aの心理です。
三人称でA以外の視点からこれを書くと、なんだか妙な按配になります。
オマエさんは読心術のココロエでもあるんですか、と(笑)
そういうとき、「らしい」や「ようだ」を使うのが手っ取り早いのですけれど――例)AはBを尊敬しているようだ――、ふと読み返したとき「ようだ」「らしい」の連呼になっていることがあります。
そうすると、こんどは「揣摩臆測ですか」となってしまう。
そこで、類語活用辞典の登場。
「尊敬する」の類義語は「尊ぶ」「敬う」「仰ぐ」「崇める」「見上げる」など
「尊敬」の類義語は「敬愛」「敬慕」「崇拝」「畏敬」など
尊ぶ、敬う、崇める、愛する、慕う、は、動詞ではあるのですけれど、これらもやはり心理の動きで、端から見て確かだと言えるものではありません。
そこで、第三者の目にも明らかな、「仰ぐ」「見上げる」を用います。
「AはBに指示を仰いだ」「AはBを見上げ、黙して指示を待った」などです。
Aの心理を行動に置き換えることで、間接的に「尊敬している」描写が可能になりますよね。
これと「様子」を表すことば+「ようだ」+「らしい」で、全体として「AはBを尊敬している」演出をすると、読心術や揣摩臆測にならずにすむのではないでしょうか。
そんな感じで使っています。
心理を行動に置き換える、逆にその行動に伴なう心理は、などと、類語の奥深さに触れるよい機会になりました。
「類義語の世界」は読み応えがあります。
セミハードカバーなので扱いも楽です。