何でもわかる「ことばの知識百科」

ことばの知識百科 表紙
出版社:三省堂/価格:2500円/
サイズ(mm):182×128

目次

 目次は次のとおりです。
 章の表題だけでも良いかと思ったのですが、辞書で一番重要なのはその中身。
 すべて書きだしてみました。分量がありますので、お覚悟!

  1. 日本語の知識
    1. 言語と文字
    2. 日本語の歴史
    3. 漢字とかな
    4. 現代日本語の実態
    5. 日本語の語彙の特色
    6. ことばのゆれ
    7. 国際化とカタカナ語
    8. 表記法
  2. 用字の常識
    1. まちがいやすい漢字用法
    2. 熟字訓など特別な訓で読む語
    3. 同音の漢字でおきかえられる語、かな書きにする語
    4. 重要な難読漢字
    5. 形が似ていて書き誤りやすい漢字
  3. 用語の常識
    1. まちがって使われていることば、まちがいやすいことば
    2. 区別のまぎらわしい一般社会語
    3. 区別のまぎらわしい類似語
    4. 同音同訓異義語の使い分け
    5. 読みがちがうと意味もちがうことば
    6. 対義語
    7. 単位を表すことば
    8. 知っておきたい略語
    9. 基本語から引く尊敬語・謙譲語・丁寧語
    10. 数字を含むことばの読み
    11. 主な四字熟語
  4. 表現のテクニック
    1. 文章の書き方・ととのえ方
    2. 日本語の修辞法――レトリック
    3. よく使うことばの類義表現
    4. 和語を漢字熟語で表現する
  5. 社会人の言語教養
    1. 故事成句・ことわざ常識選
    2. 主な慣用句
    3. 日常語の語源
    4. 季語
    5. 暦のことば・年齢ことば
    6. ことば遊びあれこれ
    7. 世界名数要覧
    8. マスコミによく出る欧文略語
    9. マスコミによく出るカタカナ語
  6. 付録
    • 常用漢字音訓一覧
    • 部首索引
    • JIS漢字コード表
    • 記号コード一覧
    • 新旧字体対照表
    • 書体のいろいろ
    • 写真植字の大きさ
    • 紙の仕上がり寸法


要領

 内容が多岐に亘っているので、要領も一様ではありません。

  1. 言語の表記について
    • 原則
    • 慣用
    • 特例
  2. 表現方法について
    • 原則
    • 禁則
    • 慣用
    • 特例
  3. 慣用句、成句について
    • 意味
    • 成り立ち
    • 正しい用法
    • まちがいやすい用法
  4. 難読漢字について
    • 読み方
    • 意味
    • まちがった読み方、まちがって別の漢字を書いてしまう一例など

 語源、慣用、特例、誤用の一例が挙げられているため、原則や正規、意味を理解することが容易です。


用途

 正しい表記、表現の原則について、その成り立ちから理解することができます。
 原則を認知している、と、原則を理解している、を分ける一冊とも言えるのではないでしょうか。
 原則には必ず例外があります。原則を知らず破戒的な文章をつらねるのではなく、原則を知って例外を表現法として上手く活用することができたら、素敵ですよね。


コメント

 好んで読むのは第一部「日本語の知識」と第4部「表現のテクニック」です。
 辞書と言うと通常はことばの確認が主体とされますが、この辞書ではことばと表現を学ぶことを主体としているのではないでしょうか。
 第一部では日本語の持つ特色、歴史などをふまえたうえで、近代での変化、現代の日本語の実態を。
 第四部では、文章のねじれとは何か、二重否定はなぜ避けるべきなのか、などを具体的に学ぶことができます。
 また、慣用句、成句には日本ならではの背景をもつものも多いです。世界観を大切にした西洋風ファンタジー等をお書きになるなら、参考に一読しておくと良いかもしれません。
「釘をさす」とか、「鳴り物入り」とか、「二の句が継げない」「埒が明かない」などなど、背景が日本でないと使えないことばも少なくありませんし。
 え? わたし? そのように、日本語的表現に「翻訳されている」ことにしています(笑)
 お気に入りの辞書です。


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