第4章 一日千秋 (6)

 蔡氏は自室として与えられた客間に返った後だった。ぐっすり眠り込んでいる、と助手から報告を受けた日烏は「寝かしておいておやんなさい」と笑い、蔡氏が夜半に空腹で目覚めるだろうことを指摘し、そのころに食事を運ぶように指示をだした。
 こうこうと白い光に照らされる室内では日烏の部下が忙しく働いている。
 その電力がどこから供給されているのか、ジェスが訊ねると、日烏が面倒くさげに答えた。
「自家発電。あたりまえだろ? どこの電気屋が売ってくれんのさ、こんな僻地に発電所作ったってアガリがあるはずないじゃないか」
 需要は高いが、資金が回収できるかというとそうではない。お金で電力を買うよりも、発電所を武力で持って手に入れることを、谷の住人が選ぶのは想像に固くないし、そもそも、ここに文明の根幹となる電力を供給することをテラが許可しないことは明白だった。
 ただ、発電システムは非常に高価で、また維持費も多大であることを考えると、やはり花竜の組織は、異色である。だからこそ、白王獅子をはじめとする船を所有、維持できるのだ。
 斐竜に壊された王虎の左足を修理しながら、日烏は34人を紹介する。例によって他多数、という大雑把な紹介だ。一通りその顔ぶれを見たジェスは、長時間の訓練は必要ないと判断する。34人はいずれも若く、平均年齢は22歳、本格的な戦闘への参加は初めてだという。しかし、平常から厳しい訓練を課せられている彼らに必要な技術は、戦場での駆引きだけだろう。
 このあとのタイムスケジュールを日烏に確認すると、夕食後就寝までの4時間が空いている、という。ではその時間のうち一部を使い、中庭を借りて教習を行うことに決定した。
「それまでの時間は、白狼を手伝ってやんな。あのコ放っておくと食事も睡眠も忘れちまうんだから」
 34人が退出した後、王虎がぽつりと呟いた。
「惚れてるからなあ。仕方がねえだろ」
「誰が誰に?」
「なんでぇ。おまえ、知らなかったのか? あいつがここへ来たのは、白王獅子の次の持ち主が斐竜だったからだぜ。家族の仇が討ちてえってぇのもあっただろうがよ。一番の目的は白王獅子だ」
「100年も昔に造られた機械に? へえ、そういうこともあるんだ」
「関係ねえよ。惚れちまったら、相手がなんでもかまやしねえさ。そりゃ相手が白王獅子じゃ、いろいろと不自由だろうけどな」
「そんなもんなのかい?」
「そうだろ。なあ、ハンター?」
 ぼんやりと二人の会話を聞いていたジェスは、突然話を振られて、曖昧な笑顔を浮かべる。
「そう、かもしれないな」
「かーっ、頼りねえ返事だなぁ」
 だが、他にどう答えてよいのかわからない。おそらく王虎は、ユリアの身を案じ、ジェスの心中を確かめたいのだ。いまでも変わらず、彼女を愛している、ということを。
 ジェスの沈黙をどのように解釈したのだろうか。修理の終わった王虎は診察台から降り、ジェスの傍らに立った。
 何を言いかけたのか、王虎は口をわずかに開いた。
 そして、なんどかことばを選ぼうとして、結局何も言わず軽くジェスの肩を叩いて出て行く。
 軽く、というのはあくまでも王虎の感覚で、だ。叩かれたジェスは、打撲部分を力強く叩かれて、苦痛の表情で耐えた。声を出さなかったのは、自らの意思ではなく、あまりの痛みに咄嗟に発声できなかったからだ。
「なんだい、痛むの?」
 ジェスの様子に日烏が声をかける。たいしたことじゃないというジェスを捕まえると、無理矢理診察台に座らせた。無遠慮にジェスの上着のファスナーを下げる。
「まあ。お見事なアザだこと。真っ黒じゃないか。腫れてるね。内出血自体は収まってるようだけど。血抜きする?」
 皮下に溜まったまま凝り始めている血を抜くか、と日烏は訊いている。
「切開すると塞がるまでが厄介だから。明日には作戦が実行されるんだろ?」
「いや、抜いておいたほうがいい。これじゃ小石が当たるだけでも、かなり痛いはずだ。痛みは行動を制限する。それに悪くすると皮膚が壊死しちまうよ」
 言いながら、日烏が指で軽く押さえるだけでも、たしかにひどく痛むのだ。
 痛みは行動を妨げる。確かにその通りだった。
 無意識に胸部を庇っているためか、この2日、肩こりがひどい。頭痛の原因は酒だけではないだろう。
「……まかせるよ」
 日烏はジェスの肌を消毒液に浸したガーゼで拭く。麻酔を使わずに2センチ皮膚を切開した。痛みはほとんど感じない。一瞬の灼熱感があっただけだ。しかし、診察台に横になったジェスの左胸に凝る血を、傷口から絞り出すために日烏がその皮膚を押したとき、激痛が走った。首だけを起こして切開した部分から押し出される血を見る。半ば凝固し始めた血は、まるでジャムのようだ。
「しばらくは……ストロベリージャムは食えないな」
 痛みを堪えながら呟いたジェスに、日烏が笑う。
「あたしには、ブルーベリージャムに見えるけど」
「はは。言えてる」
 5分ほどかけて、絞れるだけ絞ると、切開した傷口から彼女は長いかんしに挟んだガーゼを突っ込む。
「……っぅ」
 入れたガーゼを左右に動かす。それから、静かにそれを抜き取った。ずるずると引き抜かれるガーゼの感触。出てきたガーゼにはゼリー状に固まった血が絡み付いている。それを十数回繰り返す。後半は、もう我慢の一手だ。痛みにはなれているが、皮膚の下で動かされるガーゼの感触には気色悪さで肌が粟立つ思いだった。
 20分ほどかけて、丁寧に凝った血を皮下から取り去った日烏は、
「ま、こんなところだね。多少は楽になったはずだよ」
 傷口を消毒しながら言い、傷口を保護するジェルを塗りこんだ。消毒消炎鎮痛作用のあるこのジェルは、乾くと皮膚の代用になる。確かに凝った血を取り除いたおかげで腫れも多少退いた。腕を上下させるだけでも張っていた皮膚に余裕ができたことがよくわかる。軽く手で触れるだけでも痛かった打撲は、指先でゆっくり抑えることができる程度には回復していた。
「どうも」
「どういたしまして。痛み止め、いるかい? 蔡氏のところから、ちょっと拝借してきたんだけど」
「いや、やめとくよ。我慢できないほどじゃない」
「そう」
 道具を片付ける日烏の背中を見ながら、ジェスは起き上がり衣服を正した。
「あのさ」
「うん?」
 声をかけたのだが、それから先、切り出し方を迷うジェスに、日烏が振り返る。
「なんだい? はっきりお言い。気持ち悪いね」
「さっき、斐竜に、言ってただろ? 死ねたらいいこともって。……そんなことが?」
 尋ねるジェスに日烏がくす、と笑った。
「本当に知りたがりの坊やだな。教えてほしいのかい?」
「あ、いや。嫌ならいいんだ」
 死ねたら、いいのに。あんなふうに、ユリアを失ってから、何度もそう思った。だから日烏に聞きたかった。そんな思いを味わったことがあるのか。いや、それをどうやって乗り越えたのかを。
「声もあげずに我慢したご褒美。特別に教えてあげよう」
 日烏は作業の手を止めると、椅子に腰掛けた。おいで、と手招きする日烏にジェスは従う。診察する医師と患者のように丸椅子に向かいって座る。
「だるまって知ってる?」
 突然発せられた日烏のW.S.言語。非常に美しい。エリシュシオン公用語に不慣れなジェスのために、わざわざW.S.語で話してくれている。その口調は穏やかでやさしい。セレクトの使用する音とは微妙に違う。けれど、この口調は「ちゃんとした」教育を受けた者のものだ。
 意外な思いもしたが、日烏の医療の知識やドールについての造詣の深さを思えば、当たり前だ。
 谷育ちでは、こうはいかない。
 驚くことにもなれてしまったジェスは、そのことには触れず、W.S.言語で返事をすることで礼に代えた。
「ああ、赤くて丸い、願い事が叶ったら、目を書き入れる人形だよな。知ってるよ」
 日烏が小さく笑う。
「達磨はもともとは修行僧。悟りを開くために何年も座禅を組み続け、手足が萎えるまで座っていた。その執念じみた根気にあやかりたくて、あの赤い人形はできたの」
 日烏は二度三度と瞬きをする。伏せた目。思いの外、長いまつげにジェスは感心する。
「そう、だるまには手足がない。手足がない人形のことをだるまという。わたしは、それ」
 言いながら日烏は左手を右肩に当てた。小さな音とともに、それは外れた。するりと袖から抜きとられた腕。頼りなく揺れる袖。
「わたしの手。でもこれは作り物」
 ずっしりと重い機械の腕をジェスに手渡した日烏は、渡された腕を持ったまま硬直するジェスに笑いかけた。
「足も、もちろん左腕もね」
 言って両足を付け根からはずす。はずした順にジェスに手渡す。
「いいできでしょう? つけたまま入浴もできるのよ」
「こ、れは、そんな、どうして……」
 膝の上に乗せられた日烏の腕や足は、見た目も触れた感じも温度さえ生身のようだった。ただ、重さだけが、違う。合金で作られた骨格。接続部分に使用されている何本もの細い繊維は、薄く明滅している。
「さあ。性欲解消のためのお人形に手足は必要なかったんでしょうね」
 吐き捨てるでもなく、いたって自然に日烏が発言する。その音の羅列が、呆然自失のジェスの脳細胞に、意味のある信号として認識されるまでに、十秒以上の隔たりがあった。じわり、と凍み込むようにその事実がジェスの内部に浸透した。衝撃という表現では生易しいと感じられる、戦慄にもにた恐怖感がジェスの心を占める。室温が急に下がったように感じた。眩暈。貧血をおこしているのだろうか。視界が薄暗い。ぼんやりと考える。
 お人形の、手足。
「……きみは、いったい」
 ジェスの問いには答えず、日烏は少しだけ目を伏せて笑った。
「どう? 死ねたらいいのに、って思うでしょ?」
 日烏は話す。よどみない口調で。
 本星からエリシュシオンに向かった宇宙艇内で事故が発生、かろうじて不時着を果たす。それだけなら、よかった。場所が、谷でさえなければ、おそらく生存者は無事に救出されただろう、と。
「でも、ここだったのよ。助けが来るまで、無事でいられた人なんて、たぶん、いないわね。わたしの家族は、不時着の際にはすでに死んでいた。それだけが今となっては救い。生きているだろうかと、気をもむ必要は、ないから」
 他の乗客がどうなったのか、知らない、と日烏は話す。自分自身、どういう経緯をへて、あそこにいたのかも定かではない、と。
「わかっていたのは、二度とこの谷を出ることはないということ」
 手足は事故でなくしたのではない。不時着した時点では、わたしは幸運にも無傷に近かった。
 そう聞いても、それがどういうことか、すぐにはわからなかった。
 理解して、頭の中を流れる血液が、急に熱を持ち始めた。
 もがれたのだ。
 彼女の手足は。
 この谷の住人に。
「なんてことを……」
「自殺しようにも、方法がなかった。だって手も足もないんだもの。舌を噛むくらいできそうなものだけど、あいにくと歯の一本も残してくれなかったから。わかる? 全部義歯よ、これ。うまいやり方よね。これなら寝首を掻かれる心配も、逃げ出される心配も必要ないもの。部屋の隅に転がしておけば、充分でしょ」
 それを、当人の口から聞かされることが、ジェスには苦しい。室温が下がっているのではない。それなのに、震えがとまらない。聞くべきではなかった、と思った。
「毎日、毎晩、何をしていても、いいえ、何をされていても、いつか死ぬ日のことだけを夢見ていた。あの地獄から解き放たれる、それが唯一の道だと思ってたわ」
 なんでもないことのように日烏は話す。その口調がひたすら恐ろしい。
 聞いていられない。やめてくれ、と叫びそうになる。
「でも、ある日、斐竜たちがきて、わたしを解放してくれた。最初はね、今更解放されても、どうしようもないって思っていたの。こんな体では帰ることもできない。帰る場所もない。好奇の視線にさらされながら生き続けるのは苦痛でしょ。自分では死ぬこともできないから殺してほしいって、言ってしまったの。もちろん、歯がないからちゃんと聞こえたとは思わないんだけど、わかったのね。あの子には。顔色が変わる、って言うけど、その瞬間を見たことあるかしら。真っ青になってたのよ、斐竜は。子供になんてことを聞かせるんだ、って連幸は、すごく怒ってたわね。だけど、それきり口もきいてくれないのに、それでもわたしの世話だけは焼いてくれた。それで、何日かして、翠燕が義手をね、作ってくれたの。死ぬなら自分でやれ、せめてそれくらい人に手間をかけさせるなって。あの口調で、よ。なんて不親切な連中、って思ったわ。でも、不思議なものね。あのとき同情されなかったから、たぶん、生きているのだと思う。……今から8年前のことよ」
 日烏は漂白された紙でさえこれ以上白くはならないほど蒼白になっているジェスの頬を左手でぴしゃんと軽く叩いた。
 ジェスは、はじめて、日烏の微笑を目にした。その微笑みは切なくなるほどにやさしい。見て、と左手をジェスの眼前にさらす。
「独学よ。翠燕が作ってくれた義手で、壊れたサイバノイドや死んだドールを数え切れないくらい解体したわ。仕組みが知りたくて。もともと医学生だったの。だから、多少の知識はあったし。もちろん、楽じゃなかったけど、必要だった。どうしても、自分で動きたかった。誰かに世話され続ける一生なんて、まっぴら。おかげで今は、何不自由なく動けるし、この手で不足を補ってあげられる。わたしを信頼して、再生できると信じて、無茶をするのよ、あいつらは。応えたいでしょ、そういう信頼に。応えられるのは、幸せよね、たぶん。ああ、でもこんなことを知ったらますます無茶するわね」
 内緒よと念を押し、日烏はジェスに自分と手足を診察台に運ぶように言った。
 膝の上の手足を抱えて運び、診察台にそっと並べる。それから日烏を抱えあげた。
 丁寧に座らせたジェスに、日烏は苦笑する。こういうのが、イヤだったのよ、と。戸惑うことさえできないほどショックを受けた様子のジェスに、日烏は言う。
「ついでにカーテンも閉めてもらえる? 外すのは簡単なんだけど、はめ込むのは手間なの」
 器用に片腕で服を脱ぐ日烏のシルエットが閉めたカーテンに映る。足と右腕をはめ込んだ日烏は、動きを試すように、座ったままストレッチをした。ぎこちない動きが、やがて少しずつ滑らかになる。
 服を着た日烏がカーテンを開けてジェスの前に戻る。
「あんたも、生きててよかったと思うときがくるわ。お先真っ暗って思うときは、とりあえず、目の前の課題を片付けることね。その課題をクリアしたときに、闇は晴れるかもしれない」
 手探りでも進め、と日烏は言うのだ。探るための手があるのなら。這う手足があるなら、進め、と。
 手も足も失われたなら、補ってでも。
 晴れやかに笑う日烏を見て、ジェスの右目から、涙が落ちた。
「あらあら、坊や。お歳はいくつ? 大きなナリして泣いてんじゃないわ」
「ごめん」
「いいわよ。同情されるのは嫌いだけど、あんたは同情してるわけじゃなさそうだものね」
「日烏」
「聞かないわよ。あんたの事情なんて。わたしは自分の事で手一杯。人の過去まで抱え込むなんて、ごめんだわ。それでも話したいなら、しかたがないから聞いてあげる。思い出になってからだったらね」
「そうだね。話せるときがくるといいな」
 そんな日は、来ない。そう思っていた。誰かに打ち明けて気楽になれるような、そんな軽い地獄じゃない。俺が見たものは。そしてユリアが見ているものは。
 それでも。
 もし、打ち明けることができたなら、そのときにはこの地獄は終焉を告げているのだろうか。
 ジェスの迷いを感じ取ったのか、日烏がくく、と咽喉の奥で笑った。
「さ、それじゃ、仕度しな。涙のあとをつけたハンターなんて、見られたもんじゃない。夕食後は教練が待ってる。時間はさほどないよ」
 乱暴にエリシュシオン語で言い放った日烏は、金色の目に猛禽のまなざしを再び宿す。
「楽しみだねぇ。久々の戦場だ。……あたしも、参加しておこうかな。肩慣らしにね」
「教練に? 君が?」
「そうさ。あんたが何を教えるのかにも、興味がある。別段、おかしかぁ、ないだろ。久々の表舞台だ。醜態をさらしたくはない」
「……そういうことなら、早く顔を洗いに行かないと」
 苦笑しつつ立ち上がり、退室するジェスを日烏が乱暴に呼び止める。
「日烏?」
 ドアを開けようとして振り返ったジェスに、日烏が言う。食われそうだ、と思うあの笑みで。
「迷うんじゃないよ。迷いは死につながる」
「難しいね。俺はいつも迷ってばかりだから」
「譲れないことなら、はじめから悩んだりしないだろ?」
 譲れないことなら、悩まない、か。正論だけに、難しい。はたしてどちらが譲れないことなのか、未だに決めかねているというのに。
「日烏、迷ったことは?」
 しばし考えた後に、ふと思いついたジェスの質問を、日烏は軽く鼻先で笑い飛ばした。
「あたしは、後悔と反省はしない主義なんだ。8年前からね」
「それは、スゴいな」
 それで実行できてしまう日烏の強さがうらやましい。
「後悔したくない、と思うから迷うんだ。最初からしないって決めときゃ、迷いやしないよ」
 ジェスの表情は複雑だった。驚きと呆れと賞賛と。しかし笑顔の範疇に入るだろう。
「参考にさせてもらうよ」
 そう挨拶をし、日烏の研究室をでた。ドアを閉める。廊下を自室に向かって歩き始めた。足音が長い廊下に静かに響いている。日烏に叩かれた頬に触れた。引き連れた傷跡を指先が知覚する。
 ぐずぐずはしていられない。
 雍焔を仕留める。そしてユリアを、今度こそ。
「できる。かならず」
 呪文のように唱え、ジェスは歩き始めた。
 ホルスターのフレイアをそっと撫でる。彼の支度は、それで済んだ。

 自室への帰り際、白狼のラボの前を通った。大勢が白王獅子を取り囲みにぎやかに作業をしている。その傍らで、白王獅子の本体を前に、考え込んでいる白狼がいた。切れ長の目に浮かぶ光りは何かを思いつめているようで、気になった。声をかけようかと思ったとき、白狼は立ち上がり、奥の部屋へと立ち去った。追いかけてまで声をかけるのも憚られ、作業の邪魔をしないようにそっとジェスは立ち去った。